言語聴覚士のひとりごとBlog

「学生さんや新人さんが理解しやすいように」を目標に、失語症・高次脳機能障害やST業務、書籍や文献の紹介など書いていきます。

ひらがなと漢字の違いを活かそう①【失語症のきほん】

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はじめに

日本語って、漢字・ひらがな・カタカナと3つの文字形態があり、複雑ですよね。日本語は世界でも非常に稀な言語と言われており、日本語の「漢字仮名」の脳機能や処理過程については

国外の言語系の研究者からも注目されているそうです。

 

これらの3つの文字形態が独立して(バラバラに)障害されることもあれば、そうでない場合もあります。

 

これらの評価や訓練に携わるSTとして、日本語の文字について知っていることは必須だと考えます。

とはいえ、ややこしい!と思う人も多いと思うので可能な限りですが、簡単にお話ししたいと思います。

 

漢字と仮名(ひらがな・カタカナ)の違いについて

小嶋(2010)によると、「漢字」は中国から渡ってきた文字で、1文字1文字が何らかの語彙情報を持っており、表語文字と呼ばれています。「仮名」は、音韻を表す目的で、漢字を基に後から日本人が作り出した文字であり、表音文字と呼ばれています。

 

 このように性質の異なる漢字と仮名は、脳内での処理のされ方も異なっているようです。

 

とありました。例えば漢字で「手」を見ると、🤚のイメージ(語や意味情報)が浮かびますよね?ただ、仮名で「の」をみても、イメージは浮かびませんよね。このように、漢字は1つ1つに言葉としての語や意味情報を伴うので、「まとまり」として捉えることができます。一方で、仮名は1つ1つの文字に(基本的には)意味がないので、仮名文字を見たあとで脳内にある

音韻情報(脳の中にある音のイメージ)結びつくことで、「の」を正しく脳が認識できるということです。

※「て」→「🤚」のように、仮名にもイメージがつく場合もありますので、あくまで、基本的にはとさせていただきました。

 

このように漢字と仮名の基本的な特性として、語や意味に関する情報があるのかない(または少ない)のか、という違いがあります。

 

細かい音読の処理過程についてはここでは触れませんが、日本語の特性を理解しているだけでも支援に繋げられる可能性はあります。もちろん失語症に携わるSTなら必須の知識だと思います。

 

次回は,「臨床での使い方」についてお話ししたいと思っています。