言語聴覚士のひとりごと-STブログ-

「学生さんや新人さんが理解しやすいように」を目標に、失語症・高次脳機能障害やST業務、書籍や文献の紹介など書いていきます。

ひらがなと漢字の違いを活かそう②【失語症のきほん】

 

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ひらがなと漢字の違いについて(パート②)となります。

今回は「臨床での活かし方」と、参考にした書籍を紹介したいと思います。

 

 

↓前回の記事はこちら

www.st-hitorigoto.com

 

臨床での活かし方

前回、日本語における漢字と仮名について概論を触れさせていただきました。では、どうやって臨床で活かせば良いでしょうか?

 

言語訓練に繋げる

例えば、参考にした書籍(小嶋 2010)では、

・語彙ルートでの音読における後半の情報の流れが呼称と共通していること

・文字には音韻情報があるので、呼称訓練の目的で語彙ルートでの単語音読を用いるというアイデアを知っておくと臨床的に役に立つ

という内容の紹介がされていました。

 

喚語困難のある患者さんで呼称の正答がほとんど出来なくても、対象の方にあった文字(この場合は漢字が1番有効)を選択し、音読訓練をすることも良いと思います。

このように訓練を考える時の協力な引き出しになります。私は、ケースバイケースですが音読訓練はかなりしてます。

 

支援に繋げる

たとえ話ですが、音声呈示でまったく理解していなそう…でも「漢字」だけは理解できた!(または、なじみ深い仮名単語なども理解できる場合があります)という重度の失語症患者さんに出会うことはしばしばあります。

 

これは「漢字(親密度の高い仮名も)」が語や意味をイメージしやすいからです。これをSTがすぐに気付いていたら、ご家族や病棟などにすぐに伝えることで、少しでもコミュニケーションを取りやすい環境づくりの1つになります。

コミュニケーションの機会も増えるので、プラスに働く面も多いかもしれないですね。

 

ちなみに、漢字もひらがなも読めなくて「カタカナ」だけが読める患者さんもよくいますので、評価してみると良いこともありますよ〜

 

まとめ

・漢字と仮名の1番大きな違いは、文字を見た時に「語や意味のイメージ」が浮かぶかどうか

※例外もあり

・適切な評価が出来ていれば、言語訓練やコミュニケーション手段としても活用できる

 

いかがでしたでしょうか?漢字と仮名の特性をうまーく利用して、より良い訓練や支援に繋げていきたいですね!

 

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考・引用書籍の紹介

 

なるほど!失語症の評価と治療―検査結果の解釈から訓練法の立案まで

なるほど!失語症の評価と治療―検査結果の解釈から訓練法の立案まで

 


小嶋知幸先生は、失語症を担当したことのあるSTなら知っている人が多いのではないでしょうか?私は新人の頃、この本を何度も何度も勉強しました。認知神経心理学モデルは、研究者によって少し違いますが、日本語話者にとっては、このモデルが理解しやすいです。

論文を読むのは大変でも、書籍である程度理解されてから、色んな論文(考え方)に触れるのも良いと思います。紹介するまでもないくらい有名ですが、おススメです!!