言語聴覚士のひとりごとBlog

「学生さんや新人さんが理解しやすいように」を目標に、失語症・高次脳機能障害やST業務、書籍や文献の紹介など書いていきます。

標準失語症検査(SLTA)の解釈について②-理解面-【学生・新人さん向け】

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こんばんは!

 

さて、「STLAの解釈について」2回目となります!

 

↓前回の記事はコチラ

www.st-hitorigoto.com

 

今回から、具体的な結果の解釈について、前回同様に小嶋先生の書籍を引用させてもらい、書いていきたいとおもいます^^

なるほど!失語症の評価と治療―検査結果の解釈から訓練法の立案まで

なるほど!失語症の評価と治療―検査結果の解釈から訓練法の立案まで

 

 

まずは「理解面」です!

a)聴覚的理解と復唱の比較

いきなりこれ?と思った方も多いかと思いますが、プロフィールの聴覚的理解に関する項目(下位検査の1−3に該当)と復唱(6、9に該当)を比較することで、以下のことが分かります。

まず、どちらも良好である場合とどちらも不良である場合は、さほど悩まないかと思うので省略します。

 

以下、書籍から抜粋して引用したいと思います。 

①聴覚的理解不良、復唱良好

ことばを聞き取ることが出来るにも関わらず(しかも、聞いた通りに繰り返すことが出来るにもかかわらず)、理解が困難であることが推測される

⇨音韻処理が良好である一方、語彙照合あるいは意味照合の段階の障害を示唆

※古典分類における超皮質性感覚失語の要素を持った失語型

 

②聴覚的理解良好、復唱不良

 聞き取って理解することが可能であるにも関わらず、表出できない

⇨出力系(発話)のいずれかの処理過程に問題が疑われる。その際には、反応内容を検討する必要がある。          (p54-55)

 

②の場合には、語彙を回収できないのか、音韻を選択・配列できないのか、適切な構音運動プログラミングができないのか、など色々と要因が考えられます。

 

前回も紹介しましたが、復唱障害のパターンには色々とありますので、以下のブログも参照していただけるかとよいと思います。

www.st-hitorigoto.com

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b)読解と音読の比較

読解(15-18)と音読(11-14)の下位項目を比較しましょう!

どちらも不良、良好の場合については省略しますね。

①読解不良、音読良好

文字からの音韻処理が良好である一方、語彙照合あるいは意味照合の障害が疑われる

※古典分類における超皮質性感覚失語の要素を持った失語型

 

②読解良好、音読不良

重度の失語症でよくみられる成績パターン        (p55-56)

 

②については、次に紹介する聴覚的理解と読解の違いについてで触れるのですが、おそらく一般的な失語症のある方は、聴覚的理解に比べて読解で保存されていることが多いというのが背景にあってのコメントかな?と推測します。

 

c)聴覚的理解と読解の比較

一般に失語症者にとって、音声処理より文字処理のほうが保たれやすいので、聴覚的理解よりも読解の成績の方が良好であることが多いと思います(もちろん例外もあります)。

 

訓練プランの立案において、まずその人にとって保たれているモダリティから先に介入していくという原則にたつと、理解の訓練は聞き取る訓練より読解の訓練から開始することが無難と言えます。      (p56)

 特に、全失語の患者さんで、聴覚的理解は重度に低下していても、簡単な漢字単語を文字呈示すると少し理解できる!という方にもしばしばお会いすることがありますね。

 

そういった場合に、聴覚的理解と読解の差をみることが出来ると、有効な手段かもしれませんね^^

 

ちなみに、日本語には「漢字とひらがな」、あとは「カタカナ」という文字形態があります。

 

臨床場面では、漢字・ひらがなは全然読めない(または理解できない)のに、「カタカナ」だけは読める(または理解できる)ケースに出会うこともあり、新人時代にはとても驚いたことを覚えています。

 

これらの日本語ならではの特性を知っておくことは、失語症臨床での引き出しを増やす上で非常に重要です。

 

以下に、簡単にまとめましたので、読んでいただけると幸いです。

www.st-hitorigoto.com

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次回は「表出面」について紹介したいと思います。表出面、ここで悩む方も多いのではないでしょうか?

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!