言語聴覚士のひとりごと-STブログ-

「学生さんや新人さんが理解しやすいように」を目標に、失語症・高次脳機能障害やST業務、書籍や文献の紹介など書いていきます。

神経学的所見と神経心理学的所見の違い

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はじめに

こんばんは!今日は、このような質問をいただきましたので回答したいと思います。

 

これを理解しないまま使っている方、案外多いかも…って思ってました。

 

実際にご質問をいただいたので、ブログにしてみました。

 

神経学的と神経心理学について

まずは、神経学と神経心理学について簡単に知っていると、理解しやすいかもしれませんね。定義をネットから引っ張ってきてみました。

1.神経学とは
神経学(しんけいがく、英語neurology)は、脊髄末梢神経脊柱などを取り扱う内科学の一分野で、神経内科とも呼称される。 内科学精神医学の両面から発展し、同領域を外科学分野では脳神経外科学で取り扱い、小児の脳、神経、筋疾患のてんかん発達障害小児神経学で取り扱う。

 Weblio辞書より

つまり、脳をはじめとする神経について扱う学問です。

 

2.神経心理学とは

脳の病理学所見運動感覚行動との関連について研究する学問

Weblio辞書より 

 つまり、用語の通り神経心理学は「脳と心」の関連について研究する学問です。

 

神経学的所見と神経心理学的所見の違い

じゃあ、どんなところが違うんだ?ということに触れたいと思います。

 

ここからは、当ブログでおなじみ!?の以下の書籍を参考にしました。笑

言語聴覚士のための臨床実習テキスト 成人編

言語聴覚士のための臨床実習テキスト 成人編

 

 

1.神経学的所見
神経学的テストなどによってどの部位にどのような障害が存在するのかが判断できる。麻痺,筋緊張,反射,感覚,協調運動,視野障害の有無を確認する(p10) 

 

2.神経心理学的所見
意識レベル,知能レベル,発動性,記憶障害の程度,失行・失認の有無,コミュニケーション障害の有無,重症度などの情報を把握する(p10) 

 

3.両者の違い

 つまり、神経そのものに損傷がある場合は「神経学的所見」、神経そのものに損傷がないのに,言語や行為などに障害が起こった場合には「神経心理学的所見」となります。

 

具体例があると分かりやすいと思うので,紹介します。

神経学的所見:右片麻痺、右同名半盲

神経心理学的所見:失語症、失行

※これは私が架空に作成したものです。

 

この場合、右片麻痺、右同名半盲とも神経の損傷によって動かなくなったり実際に見えなくなったりしています。

 

一方、失語症や失行などは、大脳の損傷によって「運動麻痺がないのに」言語や行為などに障害があって初めて言えます。

 

例えば、言語でいうと、発語器官に運動麻痺があれば構音障害になりますし、行為なら、運動麻痺があれば片麻痺になります。

 

もちろん失語症と構音障害は合併しますので、その場合はきっちり分けて記載すれば問題ありません。行為の場合は、運動麻痺が存在すれば失行の確認は麻痺側では難しくなりますので、非麻痺側をもちいて評価します。

 

ご理解いただけたでしょうか?実際の記載例は症例報告の論文などを参考にするとよいと思います。

 

ちなみに、以前、神経心理学的所見については例も交えて記載したので、こちらも参照してみてください。

www.st-hitorigoto.com

 

最後まで読んでいただきありがとうございました^^