言語聴覚士のひとりごと-STブログ-

「学生さんや新人さんが理解しやすいように」を目標に、失語症・高次脳機能障害やST業務、書籍や文献の紹介など書いていきます。

軽度失語症の方へのTMTについて

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【回答】

軽度失語症の方であっても、TMTは成績低下の可能性があることは多くの方が知っていると思います。

 

ご質問者さんも文面からは分かっていて実施したのではないかなと推察いたします。正直、先輩のおっしゃっている事も間違いではありません。決めつけたような言い方は少し気になりますが(笑)

 

私も、軽度の失語があるのは理解した上で、参考までに実施することは稀にあります。そのときは、まずTMT-Aのように数字だけでなく文字でも正確に線を引けるかを確認しておく必要があります。

 

例えば、今回の「え」を「か」に線を引っ張ってしまうというのは、音韻操作障害があればそれだけで説明がつく可能性が高いと思います。

 

その上で、仮に成績が低下していた時に解釈がある程度できる時以外は、患者さんの負担でしかないので私は実施しません。

 

失語症の方は注意やワーキングメモリの障害を伴うことももちろんありますので、その影響がないと断言するのは無理です。ただ、失語症が凄く軽くてもTMTの成績に影響があることも事実ですので、そこを理解した上で「何を目的に」TMTを実施するのかを、検討してみると良いと思います。

 

失語症のある方への神経心理学的検査については、過去にブログを書いたことがあるので、もし良かったら読んでみてください。

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